ガルバリウム鋼板の特徴

ガルバリウムが適する現場

GLは汎用性が高く、幅広い現場で使用可能です。

  • 住宅屋根・外壁
  • 工場・倉庫の大型屋根
  • 商業施設の外装
  • 住宅地・内陸部での一般案件

ただし、沿岸部・工業地帯・融雪剤環境といった「腐食が厳しい現場」ではGL単体では不十分な場合があり、SGLやZn-Al-Mg系鋼板への切り替えを検討すべきです。

耐用年数と保全

「GLは錆びない」という誤解がありますが、腐食は進行します。

  • 端部・切断部・穴あき部では犠牲防食が効いても限界あり
  • 表面塗装が劣化すれば再塗装が必要
  • 雨仕舞や清掃性、異種金属接触で寿命が変動

実務的には、再塗装サイクル15〜20年、穴あき寿命25〜30年(環境依存)が一般的なレンジです。

コスト感覚

錆初期材料費は安定しており、「軽量・加工しやすい・流通性が高い」ため、コストパフォーマンスの良い素材です。
ただし沿岸や積雪地帯では、メンテ頻度や補修コストを加味したTCOで不利になるケースもあるため、案件ごとに適材適所を判断してください。

施工時の注意

サンダー切断NG、切粉は必ず除去

  • 水溜まりを生む逆勾配は排除
  • 異種金属接触(銅・鉛・未めっき鋼)は絶縁材を介在
  • 保管時の濡れ置きは厳禁(ウェットスタック腐食)

GLもSGLも、“切粉と雨仕舞”で寿命が決まると言ってよいほど、施工品質が耐久性に直結します。

ガルバリウム鋼板は「コスト・流通性・施工性に優れた標準材料」です。
ただし、環境や納まりによっては端部腐食や保全コストが効いてくるため、沿岸・工業地帯ではSGLやZn-Al-Mg系を検討するのが実務的な判断となります。

GL=標準、SGL=強化版という整理で、案件ごとの適材適所を押さえることが重要です。